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日中韓外相会議(概要)

2011/03/22 23:00

中国担当

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日中韓外相会議(概要)

平成23年3月19日


3月19日、午後4時30分過ぎから約1時間15分、京都市において日中韓外相会議が開催されたところ、概要は以下のとおり(出席者:松本外務大臣(議長),楊潔篪・中国外交部長、金星煥・韓国外交通商部長官)。

1.東北地方太平洋沖地震

三外相は東北地方太平洋沖地震で多くの尊い命が失われたことに哀悼の意を表し、犠牲者に対して黙祷を捧げた。
松本大臣から、中韓両国からの緊急援助隊派遣及び支援物資提供に深い感謝の意を表明し、我が国にとっても今回の地震・津波は想像を越えるものであり、大きな被害を被っているが、我が国は国際社会の協力を得つつ,国力を挙げてこの難局を克服するとの決意を述べた。
これに対し、中韓からは、日本は大切な隣人であり、中韓は日本の痛みを共にしていること、引き続き、必要な災害救助及び復興努力に対する支援を行う用意があるとともに日本は必ずやこの困難を乗り越えるであろうと確信している旨が述べられ、このような困難な状況の中で今回の外相会議を実現した日本の努力を高く評価しつつ、このことは日本がいかに中韓との関係を大切にしているかの表われと受け止めていると述べた。
また、三外相は、防災及び原子力安全に関する協力の重要性を強調し、これらの分野における協力を強化する最も良い方途について議論を行い、サミットに向けてこれらの分野における具体的な成果が得られるよう協力することで合意した。

2.日中韓三国間協力

(1)三国間協力の進捗と今後の方向

三外相は、幅広い分野における三国間協力の進捗に満足の意を表し、日中韓協力が三国間の相互理解及び地域と国際平和、繁栄、安定の強化に資するとの共通の理解の下、未来志向の包括的な協力パートナーシップを更に強化する意思を共有した。

具体的な項目として,以下の諸点等が議論された。

1.(1)三外相は、日中韓投資協定をできるだけ早期に妥結するとの重要性を再確認すると共に、日中韓FTA産官学共同研究の着実な進展を歓迎した。
2.(2)三外相は、昨年12月の日中韓協力事務局設立協定への署名を歓迎し、韓国における本年早期の事務局設立について期待を表明した。
3.(3)松本大臣から、食料、資源・エネルギー、環境・気候変動分野等の協力を進めることの重要性を指摘した。
また、大学間交流の活発化の重要性についても合意された。

(2)第4回日中韓サミットの準備

三外相は、本年日本で開催される第4回サミットに関し、サミットの成功に向けて準備を加速していくことで一致した。

2.地域・国際情勢

(1)北東アジア情勢

北朝鮮情勢について、松本大臣からは、北朝鮮のウラン濃縮計画は六者会合共同声明及び関連する安保理決議に明らかに違反し、これらに従った核放棄が必要である旨主張した。
また、松本大臣から、対話再開のためには、北朝鮮が非核化を始めとする自らの約束を真剣に実施する意思を示す具体的行動をとる必要がある旨述べ、朝鮮半島の非核化に向け日中韓三カ国で引き続き連携していくことで一致した。
さらに、松本大臣からは、拉致問題の解決に向けて、北朝鮮が具体的行動をとる必要性を強調した。

(2)東アジア地域協力

松本大臣から、先般行われたARF災害救援実動演習(ARF-DiREx)の経験も踏まえ、東アジアにおいても災害対策分野の協力を進めたい、また、東アジア首脳会議(EAS)について、従来の取組を発展させつつ、政治・安全保障分野での取組を強化していくべきである旨述べた。

(3)軍縮・不拡散

松本大臣から、昨年のNPT運用検討会議で採択された行動計画を着実に履行することが必要であり、我が国としては今後の優先的な措置として、核戦力面での透明性の向上、CTBT早期発効の実現及び兵器用核分裂性物質生産モラトリアムを重視する旨を述べた。

(4)気候変動

松本大臣から、カンクン合意はすべての主要排出国を含む公平かつ実効性のある新たな国際枠組みの構築につながる大きな成果であり、本年はカンクン合意に盛り込まれた幅広い要素を具体化する作業を切迫感を持って進めることが重要である旨を述べた。


外務省プレスリリース