中国による原材料3品目の輸出規制についてのWTO協定に基づくパネル設置
平成24年7月23日
中国がレアアース、タングステン及びモリブデンに関して行っている輸出規制に関し、我が国は米国及びEUと共に、世界貿易機関(WTO)に対し改めてパネル設置要請を行い、7月23日(月)(ジュネーブ現地時間同日)、パネルが設置されました。
本件は、中国が上記3品目に関してとっている輸出規制措置(輸出税の賦課、輸出数量の制限等)について、WTO協定との整合性が問題となっているものです。
政府としては、本件問題がWTOのルールに従って適切に解決されるよう、今後の手続を進めていく予定です。
(参考1)本件に関する経緯
レアアースについて、2006年以降、中国は輸出割当を年々削減するとともに、輸出税を賦課。特に、2010年7月、2010年下半期の輸出割当を大幅削減。中国政府に対し、輸出規制措置の是正について累次働きかけを実施してきたが、具体的な改善はみられなかった。
本年3月13日、米・EUと共に中国に対してWTO協定に基づく協議を要請。
同4月25日及び26日、ジュネーブにおいて、日・米・EU合同で、中国とのWTO協定に基づく協議を実施。
同6月27日、米・EUと共に、WTO事務局にパネル設置要請書を提出。
7月10日に行われた紛争解決機関(DSB)臨時会合では、被申立国(中国)の反対によりパネル設置は行われず。2回目のパネル設置申請となる今回のDSB会合では、全会一致でパネル設置が反対されなかったため、パネルが設置された。
(参考2)WTO紛争解決制度におけるパネル(小委員会)について
他の加盟国による協定非整合的な措置によって不利益を被ったとする加盟国は、当事国間での協議を通じて紛争が解決されない場合、一定の期間を経た上で、パネルに紛争を付託し、問題とされる措置と協定との整合性について判断を求めることができる。
なお、右パネルによる判断に不服のある当事国は、最終審に相当する上級委員会に対して上訴することができる。
●外務省プレスリリース