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第5回東アジア首脳会議(概要)

2010/11/02 01:15

中国担当

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第5回東アジア首脳会議(概要)

平成22年10月30日


10月30日、第5回東アジア首脳会議(EAS)が開催され、菅総理が出席したところ、概要以下のとおり。

1.EASのレビューと将来の方向性

(1)米露の参加
菅総理より、EASへの米露の参加を支持し、両国の参加を契機に、従来の経済分野の取組を発展させつつ、政治・安全保障分野での取組をも一層強化すること、首脳の議論を準備し、フォローするための仕組みを強化することが重要である旨指摘。

他の参加国より、同様に米露のEAS参加を歓迎する発言があり、来年から正式に米露の参加を要請することが決定された。会議の最後に、クリントン米国務長官、ラブロフ露外相が特別ゲストとして参加し、スピーチを行い、EASへコミットメントを表明。

(2)地域協力
菅総理より、経済統合、東アジア・ASEAN経済研究センターの活用、教育・青少年交流、環境・エネルギー、科学技術の5つの分野で協力を進めて生きたい旨発言し、「東アジア包括的経済連携(CEPEA:セピア)」構想の進展に向けた我が国提案の「イニシャル・ステップス」、東アジア・ASEAN 経済研究センター(ERIA:エリア)の「アジア総合開発計画」、「東アジア高等教育質保証シンポジウム」の開催や青少年交流、「環境的に持続可能な都市」、「スマート・コミュニティ・イニシアティブ」、「東アジア・サイエンス&イノベーション・エリア」について言及。

参加国より、5つの優先分野(エネルギー、教育、金融、防災、鳥インフルエンザ対策)、CEPEA等の取組を引き続き進めていくべきであるとの発言があった。また、ERIAの貢献に対する評価する発言があった。いくつかの参加国から、日本が提案した「東アジア・サイエンス&イノベーション・エリア」構想の考え方に賛同する意見があった。

(3)ハノイ宣言
EASの諸原則とこれまでの成果、及び今後さらなるEASの強化を目指す内容の「EAS5周年記念に関するハノイ宣言」が採択された。


2.地域・国際情勢

(1)経済情勢
菅総理より、「新成長戦略」を通じた日本経済復活に向けた取組を行い、アジアとともに繁栄することを目指す考えであることを説明し、WTOドーハ・ラウンドの早期妥結、保護主義抑止の取組の重要性を指摘した。また、横浜APECの成功に向けた協力を要請した。

参加国からは、リスクを抱えつつも、好調なアジア経済が世界経済を牽引していること、保護主義の抑制とWTOドーハ・ラウンドの早期妥結、国際金融機関の改革や域内格差の是正、新興国の発言力強化が必要であり、G20は重要な役割を果たしているなどの発言があった。

(2)気候変動・環境
菅総理より、我々の最終目標は、コペンハーゲン合意を踏まえ,すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組を構築する新しい一つの包括的な法的文書を早急に採択すること等を訴えた。また、我が国で開催されていた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の成果について総理から紹介し、成果の着実な実施を呼びかけた。

参加国から、気候変動への共通の取組が重要であるとの発言があった。

(3)朝鮮半島
菅総理より、北朝鮮は、核・ミサイル開発等の問題を解決するために六者会合共同声明や安保理決議に従って具体的な行動をとらなければならない旨指摘。また,拉致問題を含む北朝鮮の人権状況改善のためには国際社会が連携して取り組むことが必要であり、我が国は本年も国連総会に北朝鮮人権状況決議案を提出した旨述べ、本決議案に対する支持を呼びかけた。

参加国より、北朝鮮の非核化の重要性に関する発言があった。

(4)ミャンマー
菅総理より、ミャンマーの民主化と国民和解の進展、国民生活の改善を強く期待するとともに、11月7日の総選挙がすべての関係者に開かれた、自由で公正なものとなることを強く期待する、スー・チー女史を含む政治犯の早期釈放とスー・チー女史との実質的な対話の進展を強く促したい旨発言。

参加国より、国際社会の期待に添った形で、自由、公正ですべての関係者に開かれた総選挙の重要性等についての発言があった。

(5)その他
菅総理より、今や「世界の成長センター」となったアジアが安定と成長を維持していくためには、貿易・資源取引をはじめ国際社会の共通ルールを相互に遵守して、行動の透明性・予見可能性を高めることが重要であり、特に、我々は互いに海洋で結ばれており,周辺海域の平和と安定が不可欠、EAS参加各国の間で強固な信頼関係を醸成したいとの発言があった。また、来年我が国とインドネシアが共催する災害救援に関する実動演習について紹介した。


第5回東アジア首脳会議(概要)